カバンなのに「本」しか入らない? あえての不便さが生みだす「ぜいたくな時間」

2026-06-24 HaiPress

本を持ち歩き、読むためだけに作られたカバンがある。その名も「ブックショルダー」。あえてスマートフォンや財布は収納せず、不便さを追求した。そのユニークさで、読書家たちからひそかな人気を集めているという。ものづくりの街、東京都台東区の浅草橋地区にあるアトリエ兼ショップに足を運んだ。(落合夏子)

肩から下げたまま本が読めるカバン「ブックショルダー」=東京都台東区で(潟沼義樹撮影)

◆読書が好きだったはずなのに

肩から下げた薄いカバンを手元に寄せ、ファスナーを開く。仕切りのない空間に、お気に入りの本がぴったりと収まった。

「元々は自分の悩みを解消するために作ったカバンなんです。本とじっくり向き合う時間が欲しくて」。JR、都営地下鉄の浅草橋駅から徒歩4分の路地裏にある「NIR IDENTITY&BOOK(ニア・アイデンティティー・アンド・ブック)」。店舗を運営する妹の武藤茜さん(40)と、姉でデザイナーの黒須藍さん(41)が笑顔で教えてくれた。

「NIR IDENTITY & BOOK」のデザイナーで姉の黒須藍さん(左)とディレクターで妹の武藤茜さん=東京都台東区で(潟沼義樹撮影)

2人は山梨県富士吉田市で工場を営む両親の元で育ち、ものづくりは身近にあった。武藤さんは幼いころから読書が好きだったが、大...

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