2025-11-26
HaiPress
「東京デフリンピック」では競ったのも支えたのも、聴覚障害のある若者たちだった。聴覚・視覚障害者のための国内唯一の国立大、筑波技術大(茨城県つくば市)の学生ら100人超がサポートスタッフとして参加。普段から使い慣れている手話や研修を受けた国際手話を使い、約3000人のボランティアとともに、国内外からの選手や訪れた人たちを支援した。(大野孝志、写真も)
筑波技術大障害者のリーダー育成を主目的に1987年、3年制短大でスタート。2005年に4年制となった。障害があっても講義の内容を全学生に正しく伝える「情報保障」を掲げ、講義の音声を端末に表示するシステムを開発。聴覚障害のある学生を支援する人材やノウハウを、全国の高等教育機関で共有するネットワークを2004年に結成した。1学年90人の学部定員は、文部科学省によると「日本一少ない」。全国から学生が集まるため、キャンパス内に寄宿舎があり、多くの学生が共同生活を送る。
「茶道体験ができる所に行きたいけど、道が分からない」。運営交流拠点デフリンピックスクエア(東京・代々木)で、サポートスタッフの同大4年立原菜々さん(22)に、外国人の女性2人が英語の口話で声をかけた。

海外から訪れた人たちを手話で案内する筑波技術大の学生ら=東京・代々木のデフリンピックスクエアで
一日の活動を終えた頃で、既に周りは暗い。行き方を言葉で説明するのは難しい。立原さんは先天性の感音性難聴で、両耳に人工内耳をつけている。ジェスチャーや国際手話を交え「一緒に行きます」と伝えた。数分で日本文化を体験できる場所に着いた。2人は喜び、母国セネガル...
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