2025-11-26
HaiPress
今回は、「浅草寺」の門前町として古くから栄えた浅草へ。約1400年の歴史を持つ「浅草寺」と共に、仲見世にあるきびだんご専門店「浅草きびだんご あづま」と、芋きんでおなじみの江戸和菓子店「浅草満願堂仲見世店」をご紹介します。

イラスト:杉崎アチャ
江戸情緒が今なお息づき、日本を代表する観光地として世界中から注目を集めている浅草。「浅草寺」の雷門から宝蔵門まで続く仲見世は、日本最古の商店街のひとつです。人形焼や雷おこしといった定番のお菓子に加え、扇子やこけし、江戸切子などの工芸品も購入できます。宝蔵門や五重塔の背後に東京スカイツリーがそびえる独特な景観も浅草ならでは。伝統と新しさが融合した魅力を生み出しています。

「浅草寺」の総門である雷門。正式名称は「風雷神門」で、風神と雷神を門の左右に祀っていることに由来します。
誰もが知る浅草のシンボル・雷門から散策をスタートします。雷門は、風神・雷神が守護する「浅草寺」の総門。圧倒的な存在感を放つ赤い大提灯を前にして、浅草観光への気分が高まります。
提灯の下をくぐって仲見世へ。日本最古の商店街のひとつである仲見世は、「浅草寺」の表参道なんです。そのルーツは、江戸時代の貞享2年(1685年)頃まで遡ります。江戸の人口増加に伴って「浅草寺」への参拝客も増え、付近の住民に境内の清掃を課す代わりに、境内や参道への出店を許可したのが始まりなのだそう。

「羽子板市」開催中は色鮮やかな羽子板が境内にずらりと並びます。江戸情緒たっぷりで歩くだけでも楽しい雰囲気です。
良く晴れた行楽日和なこともあって、仲見世はどのお店も大混雑。中でも、ひときわ多くの人が集まるのが「浅草きびだんご あづま」です。できたてのきびだんごを求める人の列が途切れることはありませんが、回転がとても速く、注文から提供までのスピード感はさすがのひと言。仲見世は食べ歩き禁止なので、きびだんごはお店に併設されたテーブルでいただきましょう。モチモチした食感と素朴で優しい甘さに癒され、さらに仲見世を進みます。
賑わいと活気を肌で感じながら歩いていると、多様な言語が耳に届きます。国や文化が違ったとしても、楽しそうな表情は皆同じ。古き良き江戸情緒を満喫しつつ、浅草が日本を代表する観光地であることを改めて認識しました。
次に足を止めたのは「浅草満願堂仲見世店」です。ここでは、看板商品である芋きんを購入。仲見世店限定の提灯柄の焼印が特別感を醸し出しています。焼きたての芋きんはまだ温かく、なんだか幸せな気持ちになりました。
仲見世を経て辿り着いたのは、仁王像が睨みをきかせる宝蔵門。その先に、五重塔も威厳を持ってそびえ立っています。心を落ち着けて本堂へ向かい、ご本尊の聖観音菩薩にお参りしましょう。
師走の浅草を彩るのは、年末の一大イベント「羽子板市」です。江戸時代から続く冬の風物時であり、毎年12月17日から19日までの3日間に開催されます。「納めの観音」と呼ばれる12月18日は特に多くの参拝者で賑わうのだとか。華やかな羽子板がずらりと並ぶ境内を歩き、威勢の良い店主の口上に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

現在の本堂は昭和33年(1958年)に再建されたもの。江戸時代初期の慶安2年(1649年)に再建され、昭和20年(1945年)の東京大空襲で焼失するまで約300年にわたって愛された「慶安の本堂」の姿がベースになっています。
約1400年の歴史を持つ観音霊場。都内最古の寺院として知られ、年間を通して国内外からの参拝者で賑わいます。玄関口には浅草のシンボルでもある雷門が。仲見世を進むと見えてくる朱塗りの楼門は、仁王像と大わらじで有名な宝蔵門です。その先の本堂で祀られているのはご本尊である聖観世音菩薩。そびえ立つ五重塔も必見です。12月には歳末の風物詩「羽子板市」が境内を華やかに彩ります。

鮮やかな朱色と特徴的なシルエットが美しい五重塔。最上層には、スリランカ伝来の仏舎利が納められています。

職員
徳川家康も武運を祈念したと伝わる「浅草寺」。長い歴史の中で多くの災害に見舞われながら、そのたびに人々の信仰心によって再建されてきました。仲見世を歩いて、江戸の昔から変わらぬ下町の活気に触れた後は、ぜひ本堂にお参りください。時を超えて受け継がれてきた観音信仰の篤さを感じていただければ幸いです。
<データ>
住所台東区浅草2-3-1
電話番号03-3842-0181
参拝時間24時間参拝可
本堂開堂時間6:30~17:00(4月~9月は6:00~)
羽子板市
場所浅草寺境内
開催期間令和7年(2025年)12月17日~令和7年(2025年)12月19日
開催時間9:00~19:30(最終日は19:00まで)

「きびだんご」(1人前5本450円)。モチモチ食感のきびだんごに、香ばしいきな粉がたっぷりまぶされています。
雷門にほど近い仲見世の入口付近にあるきびだんご専門店。江戸時代に仲見世にあったとされる門前のきびだんごを再現し、できたてのきびだんごを実演販売しています。きびだんごのお供として季節限定の飲み物もおすすめ。12月から3月上旬までは身体が温まる甘酒を提供し、その他の時期はほんのり甘い冷やし抹茶を提供しています。

ひっきりなしに観光客が訪れる人気店。注文から提供までの手際の良さにびっくり。

スタッフ
江戸時代の仲見世にタイムスリップしたかのような雰囲気を楽しめるのも魅力。素朴な甘さのきびだんごは、小さなお子様からご年配の方までファンが多いんです。きな粉好きの方にも食べていただきたい一品です!
<データ>
住所台東区浅草1-18-1
電話番号03-3843-0190
営業時間9:30~19:00(売り切れ次第終了)
定休日無休

「芋きん」(1個173円)。仲見世店限定の提灯柄は雷門の提灯をイメージしたもの。焼きたての香ばしさは上質なさつまいもを使っているからこそ。
浅草名物・「芋きん」でおなじみの江戸和菓子店。提灯柄の焼印がついた「芋きん」は仲見世店限定で、店内厨房にて一つひとつ丁寧に手焼きされています。「芋きん」に並ぶ看板商品が浅草限定の「芋くりパイ」です。サクサクのパイに挟まれた粒あんと芋栗あんのハーモニーは絶品。日持ちするくま型のフィナンシェは外国人観光客に特に人気だそう。

仲見世店は、本店に続く浅草2号店として令和3年(2021年)に開店。

スタッフ
仲見世店のオープンから4年が経ち、海外のお客様にも「浅草の満願堂」として認知が広がっているのを感じています。「浅草寺」参拝の前後に、職人が手焼きしたホカホカの「芋きん」でほっと一息つくのはいかがでしょうか。
<データ>
住所台東区浅草2-3-1
電話番号090-2108-4555
営業時間9:30~17:30
定休日無休
※掲載したお店や施設の臨時休業および年末年始・ゴールデンウイーク・お盆休みは営業時間などが変更になる場合がございます。事前にご確認ください。
※掲載のイラストマップは縮尺や詳細な位置など、実際と異なる場合がございます。
※2025年11月25日現在の情報です。
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