2025-11-21
HaiPress
インフルエンザの感染が早くも関東地方などで急拡大している。東京都は13日、定点医療機関から3~9日に報告された患者数が警報基準を超えたと発表した。昨年よりも6週早く、ワクチン接種の時期に重なる。20日公表の患者数はさらに増えた。医療現場では、発熱のない発症者に驚く声も上がる。何が起きているのか。(福岡範行)
「つらい期間がコロナより長い。(解熱剤の)カロナールを飲んでも熱が下がらないのは、今まで経験がなかった」。最近、インフルにかかった東京都内の病院職員の女性(45)は「こちら特報部」の取材に、そう嘆いた。
ワクチン接種から4日後の16日、頭痛やだるさで朝食も作れなくなり、倒れるようにベッドに入った。熱は39.7度まで上がった。近所の医院の発熱外来に受診できたのは、翌17日の夕方。熱は19日にやっと37度前後まで下がった。

せきなどの症状を抑えるために女性が服用している薬=東京都内で(本人提供)
感染リスクは感じていた。数週間前から、子どもの保育園や習い事で、小学校の学級閉鎖や学年閉鎖の話をたびたび聞いた。「いつもより早い」と驚いていた中での感染だった。
杉並区では17日、インフルで休んでいた小学1年の男児がマンション4階の自宅ベランダから転落した。女性は、子どもの転落事故やインフルエンザ脳症を懸念する。子どもたちのワクチン接種は今月上旬に済ませており、「(効果が)間に合っていると思いたい」と語る。「変な時期にはやっている」と、どう備えるか困惑する。
東京都感染症対策部防疫課によると、例年、警報発表は年明けのケースが多い。流行に備えた65歳以上のワクチン定期接種は10月~翌1月に行われる。しかし今季は11月3~9日で警報レベルに達した。翌週の10~16日は定点医療機関当たりの患者報告数が44.75人...
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